境界型糖尿病の方の気になる治療とお薬

境界型糖尿病の方とは、このまま放っておくと糖尿病になってしまいますよと言う糖尿病の一歩手前の予備軍のような方達です。ですが、生活習慣を見直したり必要に応じてを服用するなどの治療をすれば正常型に戻ることが出来るという希望の持てる領域です。境界型糖尿病の方達は糖尿病にならない為にどんな治療をしてどんな薬を服用しないとけないのでしょう。

スポンサードリンク


糖尿病になってしまったら、なかなか正常値に戻ることは難しいです。

ですから境界型の時点で是非きちんとした治療と必要ならば薬の服用も考えるのが望ましいですね。

では境界型糖尿病と分かってしまったらどんな治療をすれば良いのでしょうか。また、薬の服用は必要なのでしょうか?

境界型糖尿病とは?

境界型糖尿病の原因

境界型糖尿病の主な原因には、大きく分けて2つあります。

インスリンの分泌量が不足しているのが1つの理由、そしてもう一つはインスリン抵抗性がある、つまりインスリンは分泌されているのにその働きが弱くなっているという2つの理由があります。

食べ過ぎの傾向にあって体重増加、運動不足で肥満気味だったりすると2つ目の理由であるインスリンの働きが弱くなってしまい、境界型糖尿病の原因になります。

こちらの記事でインスリン抵抗性について詳しく触れています。➡境界型糖尿病の方に大切な運動

また、アルコール、喫煙、ストレスなどもインスリンの働きを弱めます。

境界型糖尿病の方はこのような事が原因となり摂取したブドウ糖を十分に体内で消費できないため、血糖値がいつまでも高い状態が続いてしまいます。

境界型糖尿病の方の具体的な診断基準

境界型糖尿病の詳しい数値はこちらの方に書いています。➡境界型糖尿病の診断基準ってどんなの?

数値で言いますと↓

ブドウ糖負荷試験を行った場合

・早朝の空腹時の血糖値が110~125mg/dL・・・IFG(空腹時血糖値が高いタイプ)

・ブドウ糖負荷後2時間血糖値(OGTT)が140~199mg/dL・・・IGT(糖負荷試験の2時間血糖値が高いタイプ)

上記の2タイプ「IFG」「IGT」に分類することが多いです。「IFG」「IGT」のいずれか、または両方に該当するタイプを境界型糖尿病といいます。(下図の黄色の部分が境界型糖尿病の領域です。)

「糖尿病予備軍動脈硬化図写真フリー」の画像検索結果

HBA1C値と血糖値

ブドウ糖負荷試験と一緒にHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー値)も糖尿病や境界型糖尿病の検査基準になります。

下にも書いていますが、この検査の良いところは

今日は病院で検査だからあまり食べないようにしようとその日だけ食事を控えても、血糖値を下げることはできますが、HbA1c値は下がりませんので日頃の食生活がどんなものか分かります。

逆にここ2ヶ月くらい努力して食事を控えた人は、検査の前日にその日だけ沢山食べてしまったとしてもHbA1c値は上がりません。

ですからブドウ糖負荷試験とHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー値)のどちらも検査して判断するのが一番です。

HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー値)とは、赤血球中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値です。

ふだんの血糖値が高い人はHbA1c値も高くなっています。

ふだんの血糖値が低い人はHbA1c値も低くなっています。

検査日からさかのぼり、過去1-2ヶ月の血糖値の平均を反映して上下するのでその人の血糖コントロール状態のめやすとなる検査です。

多くの病院の糖尿病外来で毎月測定されています。

「今日は病院で検査だからあまり食べないようにしよう。」と食事を控えても、血糖値を下げることはできますが、 HbA1c値は下がりません。

逆にここ2ヶ月くらい努力して食事を控えた人は、検査の前日にその日だけ沢山食べてしまったとしてもHbA1c値は上がりません。

台風で言えば、「血糖値」が「瞬間風速」で、「HbA1c値」は「中心気圧(ヘクトパスカル)」のようなものです。

診断基準はだいたい

・HbA1c値 5.4%(NGSP値)未満 ふだんの血糖値が正常範囲内の人

・HbA1c値 5.4-6.4%(NGSP値)  時々血糖値が高めの人(境界型糖尿病)

・HbA1c値 6.5%(NGSP値)以上 糖尿病

と考えられます。(正確な診断には血糖値も一緒に評価します。)

血糖値によるHbA1c値のめやすは以下のとおりです。

HbA1c値(NGSP値)  6.2%未満  6.2-6.8%   6.9-8.4%  8.4%以上
食前血糖値 mg/dl  100未満   100-119   120-139   140以上
食後血糖値 mg/dl  120未満   120-169   170-199   200以上

境界型糖尿病の症状

境界型糖尿病の方はほとんど自覚症状はありません。

糖尿病の方にありがちな初期自覚症状の、喉が渇く、疲れやすい、尿の量や回数が増える、足がしびれるといった症状も境界型糖尿病の段階ではまだ現れてきません。

ここが怖いところで、検査などで境界型糖尿病と指摘されない限り、自分が境界型糖尿病になっていることにさえ気付きにくいのです。

そしてそのまま状態が悪化して知らないうちに糖尿病型に移行するケースが考えられます。

定期的に健康診断を受けるようにして境界型糖尿病の早期発見につなげましょう。

スポンサードリンク


境界型糖尿病の治療

境界型糖尿病の方の治療では、薬より先ず第一に食生活の見直しと運動や生活習慣の改善を行うのが一番の治療となります。

特に境界型糖尿病の方で太っている方は減量するのが先ず第一の治療法です。

減量して痩せるだけでもインスリンの働きはぐんと良くなります。

それには薬に頼る前に食事療法と運動療法が一番です。

日々の食事を見直しての治療・・・食事療法

こちらにも詳しく境界型糖尿病の方の食事に関して書いています。➡境界型糖尿病の食事やメニューとダイエット法

過食と肥満

「糖尿病内服薬写真フリー」の画像検索結果

食べ過ぎると血糖値を下げようとインスリンが過剰に分泌されます。これが続きますと膵臓が疲弊してしまうため、インスリンの分泌機能の低下につながります。

インスリンの分泌機能が低下しますと境界型糖尿病が悪化してしまい糖尿病型へと移行してしまいます。

また、インスリンには体内でエネルギーとして使われない余分な血液中の糖は脂肪として蓄積させる働きがあります。

食べ過ぎますとインスリンの働きでエネルギーとして使われなかった糖は脂肪として体内に蓄積されいき肥満になります。

肥満には皮下脂肪肥満と内臓脂肪肥満がありますが、内臓脂肪肥満のほうが境界型糖尿病に大きく関係しています。

脂質代謝や糖代謝がスムーズになるような働きをする物質にアデポサイトカインというホルモンに似た物質(生理活性物質)があります。

これが内臓脂肪が増えると分泌異常をおこします。

内臓脂肪が増えるとアデポサイトカインがインスリンの働きを妨害して血液中の糖が通常通りに処理されなくなってしまいます。

すると、また、血液中の糖がいつまでたっても処理されない状態が続き、さらに膵臓からインスリンはどんどん分泌されることになります。

こうなると、膵臓はさらに疲弊してしまい機能低下となってしまいます。

そしてインスリンの分泌量が低下します。

こういうわけで過食と肥満は悪循環で境界型糖尿病の方の体に悪影響します。

ですから治療として考えた場合、境界型糖尿病の方には食事のメニューの見直しが必要でとても大切になります。

糖尿病と境界型糖尿病の血糖値や生活習慣の見直しについてはこちらです。➡境界型糖尿病の血糖値と今後の生活習慣

境界型糖尿病の方の食事の食べ方

極端に減らすとストレスもたまりかえって反動で沢山食べたりしますので適度な量を食べ方を考えて食べるようにするのが一番です。

3度の食事をきちんと摂り、間食はなるべく控えましょう。

食事はGI値の低いものから食べるようにしましょう。そうすることで血糖値の急上昇を避けられ緩やかに血糖値が上昇します。

こうするとインスリンの分泌にも負担がかかりません。

血糖値を上げやすい糖質の多い炭水化物を控えて食物繊維の豊富な食事のメニューにし、野菜など食物繊維の多いものからゆっくりよく噛んで味わって食べるよう心掛けましょう。

ゆっくりよく噛んで食べることにより、満腹中枢が刺激され食べ過ぎを防げます。

低糖質で低カロリー、そして品数の多い食事のメニューにすることでカロリーや糖質は低くても食べた感がありストレスもなく食事のメニューを楽しんで食べれます。

境界型糖尿病の方の治療法としては食事療法は欠かせないものです。

◇ 食事が気になる方はサラシア

日々の運動不足を見直しての治療・・・運動療法

「糖尿病内服薬写真フリー」の画像検索結果

食事の見直しと同様、境界型糖尿病の方には運動も大切な治療法の一つです。➡境界型糖尿病の方に大切な運動

境界型糖尿病の方の治療としては食事の見直しとともに自分に合った運動も取り入れる事が望ましいでしょう。無酸素運動も筋肉を作り基礎代謝量が増えて良いのですが、有酸素運動で食後の血糖値を下げるのが望ましいやり方です。

運動をすることで、2つの良い点があります。

・食事で体内に取り入れたエネルギーのうち、余分なエネルギーを脂肪として蓄積させる前に消費することができます。→境界型糖尿病の方がなってはいけない肥満の防止になります。

・運動エネルギーとして余分な糖は消費されますから糖の血中濃度も正常値に下がります。→血糖値が高い状態を避けられる。

・さらには運動を取り入れる事で、既に体内に余分に蓄えられた内臓脂肪や皮下脂肪が減り筋肉が増えて基礎代謝量が増えます。

このように運動を境界型糖尿病の方の治療として取り入れる事で多くの効果が得られます。

運動を続けますとメタボリックシンドロームから脱することが出来ます。

治療薬

下の薬の表は糖尿病になってしまった方の薬です。

関連画像

境界型糖尿病の方の治療の基本は食事療法と運動療法です。ですが、高齢であるとか事故などで障害があり運動が出来ない方などいらっしゃいます。薬が必要な方には経口糖尿病薬が使われます。

よく使われる経口糖尿病薬としては、インスリンの分泌を促す薬(食後の高血糖を抑えるために速効型インスリン分泌促進薬)、インスリンの働きをサポートする薬があります。

糖の吸収を調節するα-グルコシダーゼ阻害薬も食後の血糖値急上昇を抑えるのに用いられます。

α-グルコシダーゼ阻害薬

一般名
糖尿病リソースガイドさんより(クリックすると移動します。)
アカルボース

ボグリボース

ミグリトール

※➡α-グルコシダーゼ阻害薬 薬剤一覧表 糖尿病リソースガイドさんより

食後の血糖値上昇を抑える薬としてα-グルコシダーゼ阻害薬が用いられます。

食後の血糖値上昇を抑える薬であるα-グルコシダーゼ阻害薬を使った研究の結果、境界型糖尿病(予備群)の人がその薬を服用すると、糖尿病の発病が減少し、その上、高血圧や動脈硬化による心臓病・脳卒中の発症も減ることが明らかになりました。

食事・運動療法を3~6カ月以上続けても血糖値がよくならず、それプラス、高血圧などといった生活習慣病がある方には、このα-グルコシダーゼ阻害薬が健康保険で処方されることもあります。

DPP-4阻害薬

一般名:シタグリプチン➡DPP-4阻害薬糖尿病リソースガイドさんより(クリックすると移動します。)

インスリン分泌を促進する薬としては、DPP-4阻害薬も用いられます。

このお薬、シタグリプチンは、DPP-4 酵素を阻害し、インクレチンのDPP-4による分解を抑制する。活性型インクレチン濃度を上昇させることにより、血糖値依存的にインスリン分泌促進作用並びにグルカゴン濃度低下作用を増強し血糖コントロールを改善します。

チアゾリジン誘導体やピグアナイド薬

インスリンの働きが悪い場合は、それを改善する為にこれらの薬が用いられます。

チアゾリジン誘導体
一般名:ピオグリタゾン➡チアゾリジン薬 薬剤一覧表・・・糖尿病リソースガイドさんより(クリックすると移動します。)

この薬はインスリン受容体のインスリン結合部以降に作用しますのでインスリン抵抗性を軽減します。肝臓での糖の産生を抑制します。末梢組織では糖の利用を高めて血糖値を低下させる作用があります。

ただし、この薬は肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害のある患者では、蓄積するおそれがあるので要注意です。

薬の副作用をチェックする為に、血液検査で、肝機能検査(AST、ALT、AL-P、γ-GTP)を、少なくとも、投与開始後12カ月までは、1カ月に1回、それ以降は、定期的(3カ月に1回程度)に行います。

ビグアナイド薬
一般名:メトホルミン➡ビグアナイド薬 薬剤一覧表・・・糖尿病リソースガイドさんより(クリックすると移動します。)

この薬は膵臓のβ細胞のインスリン分泌を介することなく血糖降下作用を示します。以下のものが血糖降下作用の主要な作用として提唱されています。

1.肝での糖新生抑制、2.末梢での糖利用促進、3.腸管からのグルコース吸収抑制

この薬では糖尿病発症の抑制効果が確認はされましたが、このお薬を使った薬物治療よりも運動や食事などの治療で生活面を改善するほうが、より効果的に境界型糖尿病の方の糖尿病発症を抑制できることもわかりました。

つまりこのことから境界型糖尿病では日頃の生活の運動や食事を見直すという治療の重要性(生活習慣の改善)がいかに大切かという事が改めてクローズアップされたわけです。

まとめ

いかがでしたか?

境界型糖尿病の方の一番の治療法は食事での治療、つまり食事療法と生活に運動を取り入れた治療の運動療法が一番大切のようです。

お薬も必要に応じて出されるようです。よく使われる経口糖尿病の薬としては、

・インスリンの分泌を促す薬(食後の高血糖を抑えるために速効型インスリン分泌促進薬)

・インスリンの働きをサポートする薬

があります。

自分がどういった境界型糖尿病の領域であるのかを知り、その病状にあった適切な治療を受けて元の正常型へ移行していただきたいです。

お医者様がおっしゃるには「1に運動、2に食事、3に禁煙、最後に薬で、境界型糖尿病治療の主役は患者さん自身」ということです。つまり本人の自覚が一番重要です。

とにかく、境界型糖尿病の方にはまだまだ正常型へ戻れるという希望があるのですから頑張ってください。

◇ 食事が気になる方はサラシア

今日の一言・・・まだまだ正常型に戻れる境界型糖尿病の方です。あきらめずに生活習慣を見直し、必要とあらば、お薬も服用して正常型までもっていけるよう努力して欲しいです。

スポンサードリンク


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です